傭兵演舞も佳境に差し迫っていた。
「三成を見かけないのが気にかかるがな。」
というくらいしか懸念が無いという、何とも気楽な珍道中である。
侵攻戦にも防衛戦にも慣れ、名刀集めはもういいかな?とか何とか、
至極平和なことを考えていた矢先のある日。
「敵陣の砦に、味方武将が一人でおるのう?」
ガラシャが、なんだか気になる人物を見つけた。
「ああ、其れきっとアレだ。敵陣に孤立した味方を救助すると、宝珠がもらえるイベント。」
本来の目的が『宝珠狩り』の一行である。
宝珠出現イベントは網羅済みだ。
「イケメンを助けると宝珠をもらえるのか!一粒で二度オイシイのじゃな!」
「嬢ちゃん、イケメンとは限らないんだけど?」
美女の場合もあるし、イケて無いメンのことだってある。
説明しようとする左近を余所に、元親は、
「上等。宝珠狩りだ。」
意気揚々。
ガラシャも其れに続く。
「・・・まあ、救出対象が誰かなんて、些末なことですけどね。」
溜息を一つ吐き、走る二人のあとを追った。
守備兵長(守護頭)がいない扉だったが、元親があっさり鍵を開けた。
其処にいたのは。
「一応、礼は言っておく。」
「殿、何だってこんなところに?」
囚われていたのは、つい先程姿を見ないねと話をしていた三成だった。
左近は胸中複雑である。
三成はふくれっ面で言い放った。
「知るか。いきなり此処に放り込まれたのだ。事情など俺の方が聞きたい・・・」
「目の前で勝手なことはさせぬ!!」
機嫌の悪い三成の前に、火に油を注ぐモブ見参。
「・・・・・目障りなのだよ!!!」
哀れ、吹っ飛ばされていくモブ武将。
着地する暇もなく、ガラシャと元親が袋叩きにして撃破した。
「ま、お見事ですな。」
「随分頑張られたものですね。」
佐和山主従、何処へ行っても息ピッタリ、であった。
「礼の品だ。」
進軍しがてら
まだ不機嫌全開な顔のまま、三成が投げて寄越したのは。
「宝珠だな。今度こそ念願の攻撃宝珠だと良いのだが。」
其処ばかりは、戦闘終了後のお楽しみである。
「どうします、運とかだったら。」
「そうだな・・・・」
暫く、黙り込んでから
「思い知らせてやるだけだ。凄絶にな。」
ニヤリ。元親の笑みは冷ややかで。
左近の背筋を氷塊が滑った。
運の宝珠はもう、はっきり言って要らないのが現状ではあるけれど。
(逃げてェェェェェ!!殿逃げてェェェェエエエエエ!!!)
心の中で、叫ばずには居られない左近だった。
ちなみに
開けてみたら範囲の宝珠で。
「まあ・・・良いか。」
多少がっくり気味だったが、大丈夫そうな反応だった。
左近は胸を撫で下ろした。