「仕官先、どうします。」
「浅井か武田だ。今決めた。」
「また突然ですな。何故。」
何時までも、定職のない牢人ではどうしようもない。
其処で就職先を求めて、各地の戦場で大暴れしている二人なのだが。
そろそろ、何処の大名が良いとか何とか、決める時期であった。
此の、世間からズレにズレた同志は何を思っているのだろう、と
左近が尋いてみたら、この様に答えた元親であった。
「これまでに何度か救援している。特に浅井は、気が付けば救援しているからな。」
「そんなんで決めて良いモンですかね。」
「所詮この世の中、なるようにしかならなかろう。」
覚悟なのか諦めなのか、其れとも単にもういろいろ考えるのが面倒なだけなのか。
判別しがたい美貌をまじまじと見つめ、左近は苦笑した。
「アンタが行く先なら、何処へでも。」
「上等。お前も同意見ならば問題は何もない。」
斯くして二人は、仕官先を決めたのだが。
「浅井は・・・敵方か。」
「武田の戦は無し・・・か。何だこれ、何かの呪いか?」
仕官先を決めた途端、運に見放されたかのように思うような戦が、無い。
「日頃の行いかねえ・・・。」
左近の溜息は町の喧噪に呑み込まれるばかり。
「因果律だ。」
元親の心中は察せない。
「どうします?」
「焦っても無意味だ。待てば海路にも日和が向いてくるだろう。其れまで・・・
名刀集めでもして過ごせばいい。」
丁度、『姫救出』・・・後に名刀へと繋がる特殊依頼が告知されていた。
「名刀、ですか。」
「童子切がほしい。」
「(プレイヤーの)趣味全開ですな。
・・・ま、其れでは名刀集めの旅と洒落込みましょう。」
「上等。」
そんなこんなで、やや目的を見失った感のある日々が過ぎた。
ように見えたのだが。
「運とか、紅蓮とか・・・・使いどころの微妙な宝珠が溜まるな。」
「修羅も出ましたがね。つか、凍牙と無双増加の宝珠もなんだか溜まり気味ですよ。」
訂正。
本来の意味は見失っていない模様。