無情なる時計の針が 今宵もまた、午前零時の時を告げる 寂れた駅の待合室は ただ、無人の静寂に沈むばかり 星さえ見えない射干玉の闇に ちらちら舞い散る儚い小雪 乗客もまばらな最終列車が 音もなく、無人の駅に停車する 発車の合図の汽笛まで 何故だろう、ひたすらに物悲しい こんな、雪の降る夜は 列車が去っていった後 駅は、再び雪の闇に佇んでいる (何処からも、何の音も聞こえはしない) (何処からも、流離の旅人など現れはしない)