早く、早く刈り取らなくては
枯れ朽ちて堕ちてしまう
何としてでも、其の前に
急いで、刈り取ってしまわなくては
待ち侘び、耐え抜いた過去を
無駄になんて、出来ない
憧れて、いました
あの雨の夜
傘を差し出してくれた、貴方
だって、初めてだったから
他人の、優しさに触れたことなんて
些細な・・・些細な、切欠でした
けれど
其れを運命だと信じても
ねえ・・・
罪だなんて、呼べないでしょう?
隻腕の
隻眼の
こんな、器量の悪い私に
優しい笑みを向けてくれた、貴方
・・・早く、早く刈り取らなくては
今宵は収穫祭
喧騒が、断末魔も何もかも消してくれる
・・・急いで、刈り取ってしまわなくては
優しい笑みを浮かべた
温かな、其の首を