其の魂を、悼む

何故
此処へと帰結する天命を選んだのか、と
最期に散らした紅い痕に問う

選んだのは、そなた

祈りを捨て
刃を取り
自ら 蝕まれ逝く道を選んだのは
そなた

其の右目と
其の運命を
差し出して、堕ちたのは、そなた

救われて欲しかった

妾(わらわ)はそなたの選んだままに
運命を描くだけ
許されているのは、唯其れだけ

癒されて欲しかった

傷つき壊れ、歪んだ魂
此の指先から抜け出して
安らかになって欲しかった

こんな
形では、無くて
救済を得て、欲しかった、のに

時は、流れゆくまま
時は、描かれゆくまま

求道女

せめて
来世のそなたの幸せを
此の場所から、祈らせて