紅い闇は
無垢の眩さに暴かれて
“古の英雄よ、汝に問う”
“汝の辿り着きし此の未来、是非の帰結は如何や!?”
其の蒼い眸に灯る
凄絶なまでの紅い闇
【是には在らず、非にも在らず】
【天命は紡がるるまま、妾は唯此処に在るのみ】
底冷えのする金の双眸で
女神は唯冷然と口にした
【是など、非など、天命には在らず】
【是非の在るは、人の哀れな命にのみ】
絶対の女神の白い指が
ひた、と
求道女の胸を指す
【そなた自身の未来は如何?】
【そなたの描いた未来の是非は?】
望まぬ運命の帰結は、非
望まぬ未来の帰結は、非
“私の、未来は・・・・ッッ”
蒼い左目の奥深く
紅い深淵がゆらと消えた
求道女
鮮赤に濡れた女神の刃
重ね続けた其の罰と
奪い続けた其の罪を
絶対神の、白い指に暴かれて
水晶色に輝く刃を
己が胸に 突き立てた・・・・・