・・・彼女が、来る

夕陽が血色に染まって堕ちたら
決して外に出てはならない
夜風に吹かれて出歩こうものなら

ほら

淡く光る夜光蝶を連れて
鈍く光る刃を携えて

純白の衣を鮮赤に染めた
求道女がやってくる


其の頬は仄白く
引き結ばれた唇は麗しい桜色
極上の青玉に似た眸は唯ひとつしか無く
其れでいて 女神の如き其の美貌

其の眸に捕らえられたら、最期
答えの出せぬ問いを投げかけられる

“汝の選ぶ未来の姿、其の是非の如何や?”

突きつけられる白刃に、甘美な冷たさが宿る


『隻眼の求道女』

勇猛果敢な戦士がおののく、純白の破滅