彼女は
御使いだったのだ、と


黄昏の薄闇に
眩く輝く純白の装束
不釣り合いなほど
血に飢えた鈍色の輝きの大刀

桜色の唇で
麗しい其の声で
冷徹な、ヒトツの問いを投げかけて


“汝、其の進む未来に何を視る?”


答えることができるなら
人は誰も、迷ったりなんかしない


“汝、此の乱世の果てに何を描く?”


明確な未来を夢見ていたなら
こんな無茶な戦いなどしない


“答えぬは、其の未来の姿、非であると同意”

絶対零度の裁きはそのまま
振り下ろされる白刃の閃きに


彼女は
御使いだったのだ、と
終焉という名の救済へ
導く者であったのだ、と


『求道女』

貴女は、何を求めて彷徨うのですか?