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其の存在が無い
ただ、其れだけで
世界から、容易く全ての色が消え失せる
【 転、転 】
思えば、お前と出会えたことは
あまりに深く大きくて
「・・・左近。」
色の濃さを増していく夕闇の中、三成は一人唇を噛み締めていた。
そよぐ黄昏の風が、亜麻色の髪を揺らす。
負けた。
お味方の不和が、義を揺るがせた、利に負けた。
其れが、口惜しくて。
其れもあるのだが、其れよりも何よりも
逃れ落ちてきたこの場所に、どうして
(左近・・・お前が、居ない?!)
三成が、左近の無事な姿を見たのは
味方が崩れ出す、其の前のこと。
『本多忠勝が、関ヶ原中央付近で猛攻』
そんな伝令が飛んだ直後
「ちょっと、抑えに行ってきますよ。」
何時もの調子で、何時ものように、進軍していった大きな背中。
あれきり、だ。
あれきり、左近の姿を見ていない・・・・・。
生きて、生きて無事でいるのなら
満身創痍だろうが、腕や足の1、2本持っていかれていようが
(構わない。生きているのならそれ以上は望まない。)
切に、三成はそう思う。
そして、まかり間違ってでも、死んでいるなど。
(そんな・・・事は考えたくも、無い。)
一人、置いて逝かれるなんて、御免だから
「この左近が、殿を裏切るとお思いか?」
そうだ、そう言っていたのだから
この天下餅をついて、俺に呉れると言っていたのだから
有り得ない
有り得ない、左近が死ぬなんて
けれど
ねえ、やっぱり何処にも居ないのですか・・・・・?
お前という存在と、出会えた意味の深さ、重さ
知っていた
知っていた、けれど
こんなにも痛いだなんて思っていなかった
此の心の中、『島左近』という存在が持っていた意味合いの
なんと
なんと、大きかったことか・・・・!!!
なくして、初めて知らされる
心が眠れる場所を与え、護っていてくれた、お前
どうして、こんな処で分かたれるさだめを辿ってしまったのか
きっと、ずっと抱き続ける此の想いは、大切なものであるのだと
教えてくれた其のお前が不在となって、其れでも勝手に育ちゆくのか
恋心、は
微か、背の高い草むらが音を立てた
(左近では・・・無いな)
気配で分かる。左近のことなら、絶対に分かるはず。
左近で、無いのなら・・・
(徳川の追っ手か)
とろい上、此の機にやって来るとは、つくづく腹立たしい奴らめ。
三成は、心の中で毒づいた。
正直、左近には生きていて欲しいと思う。
反面、もう生きていないだろう、とも思う。
そして状況から鑑みて、後者の確率は圧倒的に高い。
左近が居ない世界に、義を見いだせそうに思えなくて。
三成は、驚く程大人しく縛される道を選んだ。
這い蹲ってでも
義を押し通してみようか、と
そう思えたのは、兼続や幸村の影響が所以ではない
左近が
全ては、左近が居たから
其の型が崩れ去っては、もう押し通す意味も理由も、失われたようにしか感じられない。
くるり、くるりと
転、転と
命は廻りゆくと、何処かの坊主が説いた、と言う。
ならば、もう二度と左近に逢えない此処に拘り生き延びるより
今一度、何処かで重なる遠い時空で、逢える望みに賭けたい。
左近
何もかも、石田三成という存在に関わる万物は
すべて
お前が居るから、始まるのだ
不意に、そんな言葉が胸に去来して
あまりのらしくなさに、三成は思わず自嘲の笑みを零した。
六条河原での斬首を、翌日に控えた静夜の記憶である。
†††††††††††††††
ケータイのセンムソサイトで、三成の待ち受けを取ってきた記念。
で、何此のくっらいネタ!?
関ヶ原の敗北の後、左近の亡骸は今以て見つからず仕舞いらしいので、こんなん。
イヤイヤ、甘酸っぱいというかもうしょっぱくて苦いです。滅ス。
色々、混ざってるなー・・・
ナナムジカの『くるりくるり』、天野月子の『龍』、ポルノグラフティの『ジョバイロ』・・・。
すっげーマイナーどころも引っ張ってきてます。
『木曜の怪談』とゆー、古いドラマの主題歌。えーと、二つ目・・・のヤツかな。
あれ、CDが見つからないよ・・・なんでーーー???
【夢も 愛も 君が居なければ 無意味だから】
【夢も 愛も 君が居るから 始まるのさ】
って歌詞があるの。他にもこう、妄想ポイントは多々・・・。
本気で、何処行ったよこのCD!!?!?