【 斯くて混乱は続く 】



塞ぎ込んでしまった三成のもとへ
すったもんだの末、熱い熱い愛の戦士は馳せ参じた。

「キノトと三成が似ているか、だと?」
「そっくりだと何度も言っているのですが・・・」

気難しくて頑固者の友人を宥めるべく。
義の武士と愛の戦士は必死になっていた。

「キノトが美しいのは、内面から滲み出る徳の故にしか思えんのだ。」
「其れは表情の違いにしかつながりません。」
「かもしれんが、俺は・・・」
「三成、お前は美しいぞ!この直江兼続、天地神明と毘沙門天に誓ってそう断言する!」

暑苦しいことこの上ない発言だが、こんなときには救いの声に聞こえる。
しかし、三成の気持ちを浮上させることは出来なかったようだ。

「左近・・・左近は何故、俺にあのようなことを言うのだ。」

自分で世辞だと言い放ったその唇で、左近の言葉を信じているようなこのセリフ。
其れは取りも直さず三成にとって、左近が精神的支柱であることの証。

(兼続殿。)
「どうした幸村、そんな小声で。」
(大きな声は駄目です!三成殿に聞こえないように・・・)

事態を察知した幸村は、腹を括って解決することにしたようだった。

(もはや、我々が何とか出来る話ではありません。仕方ありませんから責任者に収めてもらいましょう。)
(口惜しいが、其の様だな・・・。しかし、責任者とは?)

俯いて下唇を噛み締め、泣き出す寸前のような三成を振り返り、兼続は声のトーンを落とした。
幸村は、敵総大将に単騎突撃するときさながらの真剣な面持ちで、ある人物の名を口にした。

(左近殿です。)
(む、確かに責任者だろうが・・・しかしこの騒ぎを全く知らないのに、どう説得してもらうのだ?)
(大丈夫です。左近殿にももう知れ渡っていますよ、きっとあの方はそうしてくれているはずです。)

言い終わったか、終わらないかのうちに。

「失礼しますよ。」

まさに島左近其の人が、部屋の障子を開け放った・・・・・。













直江のセリフに、全神経を注ぎました(笑)
佐和山主従をいちゃつかせて終わらせます。
此処のラブっぷりはもう、オフィシャル公認としか・・・!!